インフルエンザウイルスの定義とタミフルの作用機序

インフルエンザウイルスはA型、B型、C型に分類され、これらはM1蛋白とNP蛋白の抗原性の違いに基づいて定義されています。タミフルが有効とされるのはA型とB型であり、高い感染力のあるA型とB型の両方に効果があるというのがタミフルを使用する際の大きなメリットとなっています。C型に対して効果がないのは遺伝子上の違いによるものであり、C型インフルエンザはタミフルが標的とするノイラミニダーゼを持たないため、その有効性が発揮されないのです。こういった定義の違いからタミフルの有効性について分類できるのは医学上はとても便利なことです。しかし、この定義によってA型やB型に分類されていてもタミフルが有効ではない場合もあるということに注意が必要です。タミフルはノイラミニダーゼを標的として阻害することにより、ウイルスが感染した細胞から脱出して次の観戦先の細胞に向かう過程を阻止します。そのため、ノイラミニダーゼに対して高い親和性を有することと、その機能を阻害するということが重要です。しかし、ウイルスは変異を起こすという特性を持っていることから、ノイラミニダーゼが変異することによって親和性が大きく低下したり、親和性があっても機能が阻害されないという状況が生じてしまうとタミフルが効かなくなってしまうのです。こういったウイルスは耐性ウイルスと呼ばれ、その発生が懸念されています。タミフルを投与している際に耐性ウイルスが発生すると、耐性ウイルスだけは増殖できてしまう可能性が高く、他のウイルスは死滅して耐性ウイルスだけが生き残るという可能性が高くなるでしょう。それが他の人にもうつっていくことで感染が拡大すると一大事になると考えられているのです。